(前回までのあらすじ)
雪国舞茸軍曹との戦闘中、行方不明となった最愛のあゆあゆを探して
ダーク・雪国えりんぎ元少尉は球場の周囲を駆け巡っていた!
「あゆあゆ、何処だあゆあゆ!
お前なしでは俺は生きてはいけん!」
「むっ、あゆあゆが泣いてるテレパシーがビビっと来たぜ!
そこなのかあゆあゆ!」
「ほら、もう泣かないで。
もうすぐ、あなたを探してる人が、きっと迎えに来るからね」
「………」
「この子、迷子になってさびしがって泣いてました。
もうはぐれないであげてくださいね」
「う、うむ、済まん」
「それじゃあ私は帰りますので、これで」
「あ…ありがとう…」
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「…いい娘、だったな」
「――ああ、可愛い娘だった」
雪国舞茸軍曹は知った…。
ダーク・雪国えりんぎ元少尉にも、自分以外の何者かを愛する心が、
人のやさしさに感動し感謝する心があることを――。
愛とは見返りを求めない無償のやさしさのことだ!
球場から振り仰ぐ青空に、帰りがけ球場近くのヤマザキデイリーストアで
ヤンマガ立ち読むことを誓う雪国舞茸軍曹であった。
(完結)
★
(オマケ)
「それじゃ私帰りますので。どうもお疲れさまでしたー」
「またきてねー」
「さて…」
ぱか
「♪ズンタタターズンタッター
ダーイーヤーモンドーをつーん裂いてー しーろーいーイナズーマ
おーっ走るー」
「♪バッターぁ キャッチャーぁ ぶーっとんでー
ボールのォ唸りーに地ぃ獄が見ーえたー」
「♪見ぃろーよー あいつーのピィーッチングー
あいつーは 侍ジャ〜イアンツぅ〜」
「よしっ、オッケー!」
「押忍先輩ぃーっ! バイト終わったんで帰ってきましたー!」
「おせーぞ、クソバカー」
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豪雪地帯酒店・第二事業部。本日もこともなし――。
(2006年6月21日公開)